設立趣旨書

現代社会では就労に関する問題が山積しています。その代表的な例として障がいや病気を抱え就労に困難さを感じている人たちの問題があります。

これらに対し障害者総合支援法や難病関連法など一定の基準を満たす人には、課題がありつつも様々な支援があります。

一方で、「働きたいのに働けない」など既存の就労支援制度にあてはまらないものの就労に困難を抱える人として、主婦、アクティブシニア、介護離職者、孤立無業者、中高年代のひきこもり状態の人など、統計データでは示しきれない存在が推測されています。

これまでも公的機関・サービスや民間の就労支援系団体等による取り組みは行われておりますが、特定の状態像を対象としたサービスも多く、それら制度の網からもれる人に対する支援策は充分になされていない状況といえます。

また、多様なニーズに対応するための仕組みや方法論をもっと柔軟に捉えることも必要であるといえます。

そこで私たちは、これら状況の改善を図るために、社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)の視点から地域を基盤とした事業を展開すること(地域福祉の推進)によって、上記問題の解決に寄与することができると考えています。

それらを踏まえて我々NPOには大きく3つの特長があります。

  1. 全ての人を対象とした、誰にでもできる(と思われる)仕事内容(プログラム)の創生を図り、実践します。
  2. 社会福祉士等が、その専門性を活かしたネットワークにて他機関や団体等との連携を図り、交流の機会(場)を企画実施するとともに、時代の要請に即した「中間的就労」の在り方を提案するなど、新たな可能性を探ります。
  3. 地域でのつながりを大切にしながら、「はたらく環境整備」という地域課題(テーマ)を共有し、その1つの解決策として、例えば広告物配付などを地域住民相互の市民活動(コミュニティビジネス)に位置づけ実践します。

すでにインクルネット町田では、はたらく環境整備の取組みとして、広告物の配付や草むしり作業を試行的に始めており、参加した主婦層から「短時間で働けて少しでも報酬をもらえるなら是非やりたい」といった声を得て、手ごたえを感じています。

これらの事業の発展により、はたらく喜びの追求、やりがいの創出、地域活性、介護予防、孤立感の軽減など様々な効果が期待されるところです。

このように、私たちが住み慣れた地域において、心身の健康に関する問題や生活の困難さを抱えながら働きたくても働けない状況に置かれている人たちと共に、働く場や交流の場の創生を図り、誰もが地域のなかで孤立することなく、次へのステップを踏み出す一歩となる環境づくりを地域住民同士の支え合いによる市民活動として実践することは、公益に資する社会貢献活動であると捉えています。

そして、他機関や団体等はもとより、地域住民との相互信頼や笑顔が得られるように努め、また、1人でも多くの市民と連帯しながら社会課題の解決を目指すため、このたびNPO法人化を決意しました。

2017年1月28日

設立代表者 氏名 市村善明